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矢内原伊作  ジャコメッティ [私の読書]

【矢内原伊作 ジャコメッティ】


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この本を読んで、好きな会話がある。

「けさがた私はたいせつな発見をした。」せっせと筆を動かしながら彼は言う。「それは鼻の先端から始めなければならないということだ。顔の全ての部分は鼻の先端から始まって背後に向かう動きの中にある。鼻は一つのピラピッドだ。上から見たピラミッドさえ描くことさえできたら、他の部分は自然に出来上がるにちがいない。」それからまた、「きみの顔に似なければならない、しかし似なることを恐れてはならず、似せようとして描いてはいけないのだ。」‥

「私にとっては君の鼻がすでにピラミッドだ。君の顔がすでにスフィンクスだ。ああ、君の顔の中央のこの小さなピラミッドが幾らかでも正しく描けたらどんなに素晴らしいか。鼻だけだけではない、きみの顔のあらゆる部分が幾つものピラミッドから出来ている。それを捉えるのはほとんど不可能に思われる。」‥「きみ自身がピラミッドなのだから、何もピラミッドを見るためにエジプトまで行くことはないだろう。‥」

「明日まで、いや明後日まで待ってくれ。明後日まで続けてみて見込みがあればよし、もしも見込みが無いようなら放棄しよう。‥私はすべてを失うことになる。私は職業を変えなければならない。」

延々とモデルを何時間、何日間もモデルの矢内原氏とジャコメッティとの間でやり取りが続いた。しかし、完成はしないままに終わる。 恐らくすべての作品が彼が納得したものではないのだろう。
一方、全てが売られていく。どんな気持ちだったのだろうかと思う。

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